左はコンクリートに一発でピンを打ち込むことが
出来るガス式鋲打機。

コンクリートに釘を深く打つなんて発想を最初に
持ったのがヒルティ。
その後次々に建設用機材を世界中に広め現在に至
る。

ちなみに本拠地はリヒテンシュタインという小さ
な国で、総人口が四万人。
スイスの東に位置し、アルプス山脈のど真ん中。
ドイツ語圏に入るらしいので仕事が丁寧な理由は
土地柄による伝統なんでしょう。

革新的な技術を見せ続けるミルウォーキーに対し、
それに加え高精度と高品質、長寿命を掲げるヒル
ティ。

海外では二大ブランドと呼ばれる事があるそうな。

カラーが同じ赤系というのも演出感があります。

ヒルティの特徴の一つがこのデザイン。
他社ではなかなか見ないフォルムです。
どこも人間工学に基づいた作りにしているとは思
いますがヒルティは独特。

モデルチェンジがあってもヒルティらしさは変わ
らない。

ヒルティインパクト・ヌーロンシリーズ。

ヌーロンは22Ｖで展開しています。
トルクは最大で300Ｎｍを叩き出す。
ここまで来ると呆れるんですけどね。

向こうはインチポンドですからややこしい。
電卓を叩くと300と出たので、いやいくらなんでも
それはない。
しかし何度計算しても300。

ただ回転数と打撃数が抑え気味なのでミルウォー
キーほどの高速ではない。
スピードよりも打ちやすさを考慮したんでしょう。

底力があるためかなり強力な締め付け力。
限界かと思ってもじわーっと回り続ける。
小型インパクトレンチ要りません。

さらにセルの数を倍々にした電池が用意されてい
て36Ｖ以上の馬力を引き出すそうです。

デモ動画：Hilti Nuron 22Volt Battery - YouTube

上の動画はバッテリの構造です。
頑丈にパックされ、落とした時の衝撃をバンパー
が吸収する。
振動が激しい工具もスプリングによって電流の変
化を抑え、多くの電流を伝達出来るようコネクタ
の銅線がかなり太い。
作りに妥協がありません。

ヒルティは二年間の無償修理保証です。
サポートもマキタ並みの修理三日体制。
故障箇所を直すだけじゃなく、すべての部品を点
検し新品で買った状態に戻して返すんだとか。

日本での実績は50年以上です。地固めがすでに終
わっているため国産メーカーと変わりありません。

おそらく現在、世界最速のインパクトを作ってい
るのはこのミルウォーキーです。

パワーツールを売りにする会社はごろごろとある
んですが、その中でも頭一つ抜けてます。

18Ｖでありながらマキタハイコーキの36Ｖや、デ
ウォルトの54Ｖを問題にしません。
18とは思えない強力なバッテリーです。

特に負荷が大きくかかった時に、三者を軽く置い
てけぼりにするスピードで潜っていきます。

参考：インパクトドライバパワーテスト-YouTube

モーターやハンマに独自の技術を盛り込んで、電
池との相性を最大限に引き出したんだそうな。
純正パッテリーの大切さが分かりますよね。

18Ｖに226Ｎｍのトルクです。
国産の18Ｖの場合、強いものでも180。
マキタ40にしても220。トルクがすべてスピードに
繋がるわけじゃないんですが、目安にはなります。

一方で、インパクトにこれほど強力なトルクが要
るのかといえば、どうなんでしょう。

よほど太く長いビスやコーチボルトを打ち込む作
業には楽かもしれませんが、普通のビス打ちにそ
こまでのトルクは求めません。
マキタ40でも最速で使うと結構打ちにくく片手で
はカムアウトしやすいのです。

それに動画でもあったようにビットの破損率が相
当上がる。
その馬力に耐えられるネジビットがどれほどある
のかという問題。
工具本体の進化に対し、先端工具の技術が追いつ
いていないわけです。
国産はそこを考え敢えて抑え気味に作っているん
でしょう。

Ｍ12
別シリーズに差し込み式バッテリの12Ｖがあるの
で普通に使う分には12Ｖで十分です。

10.8クラスだといってもトルク169、打撃数4000。
ミルウォーキーの12は10.8のスペックじゃない。
国産でいうなら14.4～18クラス。

高出力バッテリーをはめればさらに馬力アップし
ます。
これで重量1.2ｋというんですからね、オーバー
ヒートしないようセーブさせているのだろうか。

軽自動車に5ナンバーのエンジンを積んでます。

デモ動画：ミルウォーキーM12FDP2 (youtube.com)

ミルウォーキーは北米での人気は絶大で、海外の
比較動画では主役級で登場します。
何がなんでも馬力とスピードを重視する方には高
出力バッテリーをはめた18Ｖ機は魅力です。

ミルウォーキーは2021年に日本上陸を果たしてい
ます。
現在はネットでの直販で手に入るので、興味があ
れば覗いてみてください。

ただラインナップの数が本国よりもかなり限定さ
れているため、今のところメカニック系を対象と
しています。
いずれ建築系の工具等、日本仕様をどんどん増や
してくるんでしょう。

■milwaukeetool.co.jp

ホームセンターのＤＩＹコーナーでよく見かける
と思います。
日曜大工の入門編として根強い人気があって、う
ちの施主も何人か所有されていたのを覚えていま
す。

傘下にプロ向けのデウォルト等、多くの企業の集
合体なのでシェアでは世界ナンバーワンを誇るメ
ーカーです。

参考：black＋deckerカタログ-joomag.com
　　
カタログに解説が入ってる通りブラック＆デッカ
ーはピストルグリップを開発し、ニカド電池によ
るコードレスドライバを生み出したんだそうな。

他社がそれに追随しこれが家庭でＤＩＹを流行ら
せるきっかけになったわけです。

ＤＩＹ産業や建設建築業界に大きく貢献したのが
ブラック＆デッカー、ということになりますかね。

世界最大の工具メーカーといえばボッシュです。
ホームセンターやプロショップ内の一角を占めて
いるので日本での知名度は国産メーカーと変わり
なく、サポートも安心できます。

■ボッシュ電動工具 (bosch.co.jp)

このボッシュ、バリカンやジグソー、ハンマード
リル等を世に送り出し、リチウムイオンバッテリ
ーを電動工具に初めて採用するなど、
世界初をこれでもかというくらい連発し続けるク
リエイトなメーカーです。

たまに国産メーカーが目新しい機能を付けた工具
を出したとき、もとはボッシュから頂いたという
ことが結構あるのです。

ボッシュProＣＯＲＥ18Ｖ＋

参考：Bosch ProCORE18V (bosch-professional.jp)
デモ動画：Bosch ProCORE18V+ YouTube

ＢＩＴＵＲＢＯというモデルに装着すると倍のパ
ワーを引き出すというプロコア電池。
上はさらに70％増しした新型プロコアプラス。

ホームセンターでは見ないんですが海外では新型
モデルが続々と登場しているようです。

ボッシュはプロ向け工具ばかりじゃなく、家庭用
の電動工具にも力を入れてます。

たとえばIXOとかいうミニサイズの電ドル。
組み立てキットや棚程度のＤＩＹはもちろん、ア
ダプタを替えればバーベキューの火起こしに使う
ブロアに変身する。

参考:IXO Collection-youtube.com

ほかに段ボールカッター、缶切り、ワインコルク
の栓抜き、胡椒を挽くペッパーミルなど、台所用
の家電に化けてしまう。

一つで何役もこなす便利機能が好きな方にとって
は面白い商品です。

このようにモーターの可能性を探し、形にして作
り続けているのがボッシュというメーカーです。

海外の電動工具をいくつか紹介します。
北米のブラック＆デッカー、その傘下のデウォル
ト、同じく北米ミルウォーキー、それとドイツの
ボッシュ。

あとパワーと耐久性を売りにするヒルティ。
この辺りが有名ですかね。
世界で上位を争うメーカーであって、その中にマ
キタも入るわけです。

どのメーカーも国産と大きな違いはありません。
非正規品のようにすぐに調子が悪くなるようなも
のではない。

本場の工具ですからね、むしろパワーに限ればマ
キタハイコーキを子供扱いする海外ブランドがご
ろごろとあります。

しかし国内ではそこまで目立ってはいません。
マキタやハイコーキの販売網があまりにも強いか
らです。

頑張っているのはホームセンターやプロショップ
で見かけるボッシュくらいでしょうか。

海外の電動工具は国産では考えられない規格外の
スペックを持たせています。

斬新なアイデアとダイナミックさに於いては北米
からヨーロッパにかけてのメーカーなのは間違い
ありません。

日本は誰かが発明したものを高性能にする技術に
は長けているんですが、
スタック電池のような新しい技術開発となれば海
外企業に及ばない。

国産の強みといえば操作性と制御機能ですかね。
ヒルティは別格だとしても、その他で比較すれば
国産の方が考えているように見えます。

モーターの過熱が遅い、打ちやすい、疲れない、
先端工具への配慮、
バッテリーが長寿命、それと多モード。

これはもうお家芸です。
特に打ちやすさと多モードに於いては海の向こう
では受けるようです。
モードによる制御機能がことさら細かい。

何割かの外国人も楽な道具がいいんでしょうね。

ちなみに海外の工具を手に入れるには言うまでも
なく正規代理店からの購入が一番。

個人輸入や並行輸入品を購入した場合、国内の代
理店ではほぼ修理を受け付けません。

本国の仕様と日本仕様の違いがあって、ビットの
規格や電圧が異なるからです。

正規代理店は日本仕様に改良したモデルを販売し
ます。

国産ビットを普通に使える。
つまり規格の上では国産の工具と変わりなく、サ
ポートも問題ないのです。

2022.09

国内でもお馴染みです。ただし完全プロ向きの工
具なので一般の方にはあまり知られてはいません。

コンクリートに対しての斫る、切る、打つ、穴を
開ける、またはアンカーの締結など、
ハツリ機やドリル等の工具に定評があります。

ヒルティは昔から電気工事士が使っているイメー
ジ。電気屋さんの多くが愛用してますからね。

ねじ切り、穿孔、特殊なアンカーなど、これらを
効率よく行うには電設向きのパナソニックや、こ
のヒルティがいいらしい。

ヒルティは細部にまで拘ってかなり念入りに作り
込んでいます。
そのため高級品。工具の中でもちょっと格が違う。

このメーカーはビル等の建設向きの機材が多く、
一般住宅の工事ではなかなか見ない特殊な工具を
多く揃えています。

問題はアフターサポートでしょう。
ボッシュのように実店舗での販売なら問題ないん
ですが、
オンラインでの販売形態では修理に掛かる手続き
や配送等で、手間が掛かる、時間が掛かる。

マキタの場合修理三日体制というサービスを展開
しているので対応が迅速です。
昨日の朝出したものが今日の夕方に届いたという
こともあるので、さっと出してすぐに戻ってくる
わけです。

海外のメーカーは最新モデルの登場が日本では非
常に遅く、ラインナップの数が限定されてもいる
ので、これも受けの悪さに繋がっているのかもし
れません。

ただそれでも欲しがる人は多いんです。
価格、デザイン、最先端の技術等、国産にはない
惹かれるものがあるのは確かです。

聞いたことがないメーカーなんですが、ミルウォ
ーキーに負けず劣らずの馬力を見せていたので調
べてみました。

百年の歴史を持つ老舗メーカーで、サンダーやポ
リッシャーのトップブランドとして知られている
そうな。
品質と安全のドイツメーカーでした。

動画を見る限りではスピードでミルウォーキーと
対等に勝負出来るのはこのフレックスくらいです。

ただしこれは24Ｖ。
トルクが282Ｎｍと、これもまたヤバい数字。
226Ｎｍのミルウォーキーを50以上上回っている。

しかしこのスペックを以ってしてやっと互角。
ミルウォーキーは他社では真似出来ない何か特別
な構造が仕組まれているに違いありません。

参考：ミルウォーキー対フレックス(youtube.com)

フレックスも2022年、新たにスタック型の電池を
採用してます。
日本法人がないのが残念なんですが。

デウォルトとはまた違ったＰＲをしていて、たと
えば3.5Aｈで従来の8Aｈ相当の容量が期待出来る
とか。
フル充電がたった15分。これは早い。

馬力もアップしているようなのでこの電池でなら
ミルウォーキーを負かすかもしれない。

スタックリチウムの24Ｖフレックス、ハイアウト
プットの18Ｖミルウォーキー、馬力勝負となれば
国産は勝てません。

もし日本にやってくれば桁外れな馬力を持つこの
電池は話題になります。

参考：DEWALT POWERSTACK™ Battery Technology | DEWALT

左はデウォルトが二年を費やし開発した次世代リ
チウムイオン電池、パワースタック。
北米ではすでに販売されています。日本上陸はま
だありません。

現在の工具用リチウムイオン電池は円筒形のセル
を並べて箱詰めしているんですが、この電池は平
たいセルを積み重ねた積層型。

小さく軽い上に大容量。
余分な隙間がなくなりバッテリーの小型化と軽量
化に成功したわけです。
さらに50％増のパワーアップ、二倍の寿命。
これが本当なら凄い電池を開発したものです。

とある記事によるとこの電池の評価が高まれば、
国内に於いてもパッテリーについて大きく見直さ
なければいけなくなる、とのこと。

それはそうです。6Ahは重いですからね、安全等
何も問題なければ皆欲しがります。
国産メーカーもおそらくもう検証には入っている
と思うんですけどね、今後主流になりえる電池で
あるなら機を狙っていずれは出すんでしょう。

それにしてもデウォルト、この前54Ｖなるヘビー
な電池を出したばかりです。
このメーカーは電池の開発に余念がない。

デウォルトのプロモデルインパクト。
黄色と黒のデウォルトカラー。黄色がもっとも似
合うのがデウォルトです。

205Ｎｍ。マキタに負けない馬力があるため日本
でもそこそこ人気があります。
意外に安いというのもあって国産に拘らなければ
十分有り。

20Ｖというのは最大電圧が20Ｖ。公称電圧は18Ｖ。
マキタの40Ｖマックスと同じ理屈です。